UMA-YUME ブログ

競馬ーギャンブル=ロマン

名レース列伝 第5回 「第4回ヴィクトリアマイル(2009年)」

f:id:UMA_YUME:20190402202549j:plain]
○基本情報
 日時  2009年5月17日
 競馬場 2回東京8日目
 距離  芝左1600m
 馬場  芝 : 良
 結果  1着 ウオッカ
     2着 ブラボーデイジー
     3着 ショウナンラノビア

db.netkeiba.com

○背景
第5回目の名レース列伝は第4回のヴィクトリアマイルです。
古馬牝馬による春のG1として始まり、エリザベス女王杯と並んで牝馬の頂上決戦となるレースです。
2009年に行われた今回のレースでは、牝馬によるダービー制覇やダイワスカーレットとの接戦を制した天皇賞秋といった複数のG1を勝利して、牡馬も含めた現役最強馬として名前の挙がっていたウオッカのレースぶりに注目が集まっていました。
この年のウオッカは年明けからドバイ遠征をおこない、前哨戦から現地でレースに臨みますがその前哨戦と本番のドバイデューティーFも馬場の問題ともうありましたがあまり良いところがなく敗戦し、海外遠征帰りの初戦として当レースに臨みます。
状態が心配されてはいたものの、ライバルであったダイワスカーレットが故障で引退していたためライバルとなる馬は多くなく、ここでは断然の一番人気でレースに挑みます。
ダイワスカーレットにかわるライバルとしては、一つ上の世代のオークス秋華賞を勝利したカワカミプリンセス、前年のエリザベス女王杯を3歳で勝利したリトルアマポーラがいましたが、共にウオッカと比較するレベルにはなく2番手争いとして考えられ、人気でも大きく離されていました。
ウオッカにしてみると前年のレースでも断トツの一番人気でしたが今年と同じくドバイ遠征後のレースで惜しくも2着に敗れていましたので(その次の安田記念では圧勝していますが……)、雪辱を喫するレースとなりました。

○レース
レースについてはまずウオッカがどのような走りをするかに注目が集まりました。
海外遠征明けで体調がどうなのか、若干折り合いに苦労するようなところがあるという2点が不安要素としてありましたが、その心配は杞憂に終わります。
3枠からスタートしたウオッカは抜群のスタートから内側から先行する馬を行かせて、馬なりのまま好位の6番手につけます。
一方カワカミプリンセスリトルアマポーラはそのウオッカの少し後ろからのレースとなり、全体的には少し遅いペースでレースは進みます。
ウオッカは引っかかることもなく、折り合いもついており抜群の手ごたえのままレースは進みます。
最終コーナーを回り直線に入って周りの騎手の手が動く中、ウオッカの鞍上の武豊騎手の手は全く動くこともなく馬なりのまま先頭を伺います。
外から追い上げに入ってくる馬もいるなか、ウオッカ武豊騎手の手が少し動くとそこから抜け出しグングン加速、そこからは差は開く一方で最後は流したまま一着でゴールとなりました。
2着には先行してそのまま粘った伏兵のブラボーデイジーとなりましたが、その差は7馬身というマイルのG1ではありえない着差となり、タイムもヴィクトリアマイルのレースレコードでの決着となりました。
ウオッカの生涯で一番の圧勝劇でレースは終了しました。

○感想

ライバルが不在だったとはいえ、マイルのG1で7馬身、タイムにして1秒以上の差をつけたというのはなかなか見ることができません。
ドバイでの不振や海外帰りの体調不安、前年のレースも同様の条件で取りこぼしていたため少なからず不安はありましたが、それを一掃するような圧勝劇となりました。
ダービーの制覇や天皇賞の熱戦、ジャパンカップの制覇等中距離でも結果を残していたウオッカでしたが、このレースや安田記念の連覇等府中のマイルが一番合っていたように思えます。
ウオッカといえば牝馬でダービーを制したことから牡馬と牝馬の垣根を超えた馬でしたが、それともう一つマイルからクラシックディスタンスまで距離の垣根を超えた馬でもありました。
(今年の安田記念に参戦が決定したアーモンドアイにも同様の期待がかかります!)
この後安田記念と秋になりジャパンカップも制覇しG1を合計7勝をあげ、歴史に残る名牝となったウオッカの中でも一番強い競馬となりました。

○リンク 

youtu.be